Alldocube iPlay60 が "your device is corrupt" と表示され正常に起動しなくなったので、ファームウェアをフラッシュした

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先日のプライムデーにてAlldocubeのAndroidタブレット iPlay60 を購入しました。用途は電子書籍(閲覧、PDFへの手書きメモ)や動画視聴です。電子書籍についてはこれまでメインのデスクトップPC、Surface Pro 4、Likebook Marsを使い分けていました。Surface Pro 4はデスクトップPCのモニターの横に用途に合わせて横置き/縦置きできるようにしていて、作業の横で資料の閲覧やPDFへの手書きができる環境にしていたのですが、同じような使い方ができてもう少し持ち運びしやすい端末が欲しかったんですよね。

ゲーム用途ではありませんし、手書きしたいと言ってもお絵描き用途ではないので、そんなにスペックはいらないと判断して中華タブレットの中でスタイラスペンに対応したiPlay60を購入したという感じです。まあスタイラスペンに対応していなくてもタッチペンによる手書きでメモ程度はできるはずですが、対応しているほうが融通が利くと思ったので。

iPlay60使用初日、以下のような流れで作業を進めていると、"your device is corrupt, It can't be trusted and may not work properly!" というメッセージが表示され正常に起動しないようになりました。

  1. 初期設定を済ませる
  2. YouTube等、最初から入っているアプリの確認
  3. とりあえずBitwardenとPrimeVideoをインストール
  4. 設定の セキュリティ > Google Play システム アップデート を実行して再起動

使用初日の作業としては至って普通だと思いますが、このような状態になりました。1時間くらいしか触ってないのに…。"Press power button to continue." と表示されていますが、電源ボタンを短く押しただけでは何も変化はありませんでした。長押しだと電源が落ちるか再起動して再び同じメッセージが表示されるかで、状態は改善しませんでした。

音量ボタンを押しながら電源ボタンを押すことを試しているとセーフモードでAndroidを起動できました。同じような問題が発生している場合、セーフモード上での対処で問題が解決できる可能性はありますが、私の場合はこの時点でPCを使用してファームウェアをフラッシュすることに決めました。
というのも、初期設定を済ませてYouTube等の最初から入っているアプリの確認をしていると、その段階でアプリが落ちることが複数回あり…。Amazonのレビューでアプリが落ちることがあるという報告はありましたが、15分程度の操作で10回は落ちて、使用初日でその状況というのは何かおかしいと思い…。落ち方も奇妙で、アプリ停止からのホーム画面に戻されるのではなく、Alldocubeのブートロゴが表示されてからロック画面になるという。通常の再起動の場合はAlldocubeのロゴとPowered by androidのロゴの画像が出た後にAlldocubeのブートロゴに移行するので、落ちて通常の再起動をしているという感じでも無かったんですよね。まあ、ファームウェアをフラッシュして設定を見直し、それでもなお同じ状況ならクソ端末であると判断すれば良いので、さっさとやってみることにしました。


Alldocubeは公式サイトで各モデルのファームウェアやフラッシュするためのWindows用のツールを提供しているので、今回はそれを使用します。以下のページからiPlay60のファームウェア、ドライバ、フラッシュ用のツール、ガイドがダウンロードできます。
https://www.alldocube.com/en/firmware/alldocube-iplay60t1102t-firmware-download/

今回は記事執筆時点で最新の iPlay60(T1102T)_EN_20240227.T をフラッシュします。 ガイドに書かれた内容を踏まえて、以下のような流れでファームウェアをフラッシュしました。試行錯誤の内容もそのまま書き起こしておきます。

  1. iPlay60の電源を落としておく
  2. 音量マイナスボタンを押しながらPCとUSBケーブルで接続する
    (或いは音量マイナスボタンと電源ボタンの同時押しで起動後、PCとUSBケーブルで接続する)
    このようにすると真っ暗で何も表示されませんがPCからファームウェアをフラッシュできるモードで起動できるようです。この段階でデバイスマネージャーで "Sprd Gadget Serial" というデバイスが見えるようになりました。
  3. ドライバをインストールする
    インストール後、iPlay60が勝手に再起動して"your device is corrupt"が表示される画面になりましたが、デバイスマネージャーでは "ポート(COM と LPT)" の "SPRD U2S Diag" として認識されていたので作業を進めることにしました。(後で気づきますが、この段階で電源を落として手順2と同じことをして真っ暗な画面にしておく必要があるようです)
  4. ResearchDownload.exe を起動して歯車が1つのLoad packetアイコンをクリックし、ファームウェアの.pacファイルをインポートする
  5. Start downloadingアイコンをクリックする
    20秒ほどでツール上で "SW2276:Check baud time out" というエラーが発生し停止しました。StatusにUnpluggedと表示されており、デバイスマネージャーを確認してみると切断・接続を高速で繰り返しているような挙動を確認できました。 このタイミングで、おそらくiPlay60をあの真っ暗な画面にしておかなければならないのでは?と思い、電源を落として手順2と同じことをやりました。するとデバイスマネージャーでの挙動は解決できましたが、なぜかドライバが当たっていない表示になっていたので改めてドライバをインストールしておきました。すると再び"your device is corrupt"が表示される画面になってしまいました。そこで、電源を落としてから今度は予め真っ暗な画面で起動しておき起動してからUSBケーブルで接続するという方法で試すと、真っ暗な画面のままでデバイスマネージャーでは "SPRD U2S Diag" として認識されている状態になりました。その状態で作業を進めることにしました。
  6. Start downloadingアイコンをクリックする
    200秒ほどでフラッシュが完了しました。StatusはFinish、ProgressはPassedと表示されていました。
  7. Stop downloadingアイコンをクリックしてフラッシュの処理を終了する
  8. iPlay60からUSBケーブルを抜き、電源ボタンを押して起動してみる
    正常に起動すると思いきやブートロゴでフリーズしてしまいました。電源を落として再度起動してみても変わりません。ググってみると、iPlay 50 Proにてロゴでフリーズする問題についてファームウェアを再フラッシュしろと回答されている公式フォーラムのページを見つけたので、試しにもう一度フラッシュしてみることにしました。
    https://www.alldocube.com/en/forums/topic/8640/
  9. 電源を落とし、真っ暗な画面を起動させ、ResearchDownload.exeを使用して再度フラッシュ
    200秒ほどでフラッシュが完了しました。StatusはFinish、ProgressはPassedと表示されており、一回目と変わりませんでした。
  10. Stop downloadingアイコンをクリックしてフラッシュの処理を終了する
  11. iPlay60からUSBケーブルを抜き、電源ボタンを押して起動してみる
    正常に起動できました!

なんとか自力で正常に起動できるところまで持っていくことができました。
正常に起動しなくなった原因だと思われるGoogle Play システムアップデートを改めて試してみたところ、今度はアップデートに成功しました。数日間電子書籍の閲覧や動画の視聴等で使用したところ、一度プライムビデオが停止してホームに戻されたくらいで、頻度はもちろんのこと奇妙な落ち方をすることも無くなりました。なお搭載されているメモリが4GBと心もとないので、デフォでは無効になっていたMemFusion(仮想メモリ)を一応4GBに設定しておきました(4GB、6GB、8GBから選択可能)。


余談ですが、記事執筆時点ではPDFへの手書きはXodoというアプリを使用しており、スタイラスペンはPenovalのUSI2.0 Liteというのを使用しています。iPlay60のレビューにUSI 2.0のスタイラスペンが使えるという情報があったのと、個人的にはバッテリー式よりも乾電池式の方が好きなのでこのペンを使用しています。

藤乃音りょう